わたしはナユちゃん!
第八話「ぼくらが望んだ戦争」
祐一&名雪「ただいま〜」
俺と名雪が見事にハモる。
秋子「2人とも、お帰りなさい」
エプロン姿の秋子さんが出迎えてくれる。
う〜む・・・やはり17の娘がいるとは思えん・・・
どう見ても20代の体だ・・・
名雪「あ、お母さん夕飯作ってるんだ。私も手伝うよ〜」
俺が不埒なことを考えていると、名雪が台所にパタパタと駆けて行く。
祐一「俺も何か手伝いますよ」
秋子「もうすぐ出来ますから、祐一さんは待っていてください」
またもやんわりと断られてしまった。
俺が以前、料理を手伝って大失敗したのが原因だろう。
あの時の料理は、自分でも酷いと思った。
台所をぐちゃぐちゃに引っ掻き回し、鍋が爆発し、もはや台所とは言えない場所にしてしまったのだ。
もう2度と台所には入れてもらえないだろう・・・
仕方ないか。と思い居間に向かう。
テレビを見ながらしばらく時間を潰していると、台所から声がかかる。
名雪「祐一〜、ご飯出来たよ〜」
俺が食卓に向かうと、テーブルには豪華な食事がズラリと並んでいた。
祐一「どうしたんですか? こんなご馳走」
秋子「祐一さんが帰ってきたお祝いですよ♪ たくさん用意しましたから、いっぱい食べてくださいね♪」
祐一「それじゃ、いただきます」
俺も運動(戦闘)して腹が減っていたので、遠慮なく食べることにする。
腹が減っている時の飯は美味いというが、それでなくとも海原雄山が舌を巻くほどの実力をもった秋子さんの料理、
無くなるのは必然といった感じなのだろう。瞬く間に並んでいた料理は無くなっていった・・・
真琴「あ! 祐一! それ私が狙ってたのに!」
祐一「へへん、早い者勝ちだ」
俺と真琴と名雪で、壮絶な料理の奪い合いが始まる。
名雪「私これ取ったぁ♪」
祐一「甘いぜ名雪!」
名雪の箸めがけてかぶりつく。
名雪「祐一〜、意地汚いよ〜」
祐一「何とでも言え、強い物が勝つのだ」
秋子さんは、こんな争いを見ていても、終始ニコニコ顔だ。
賑やかなのが楽しいのだろう。これを賑やかというのかどうかは、わからんが・・・
祐一「よし! 今度はそれだ!」
俺が狙いを定めた料理へ箸を伸ばす、すると、キュンッ、
っという音がし、何時の間にか箸の先端が無くなっていた。
祐一「あれ?」
真琴「も〜らい♪」
真琴が、俺の獲物を掻っ攫っていくのを呆然と眺めていると、左手にビームライフルを握っているのが見えた。
祐一「ま〜こ〜と〜! 食い物の取り合いにまで武器を持ち出すな!」
真琴「だって強いものが勝つんでしょぉっ♪」
そう言いながら料理を頬張る。
おのれ、そっちがその気なら。
俺はファンネルポッドを展開し、2機だけ発射した。(もちろん真琴に気づかれないように)
そして発射した2機のフィンファンネルを、真琴の頭上で停止させた。
真琴「これももらい〜♪」
いけ! と心の中で叫ぶ。
すると、真琴の頭上で停止していた2機のフィンファンネルのうち1機が、
真琴の箸の先端めがけてメガ粒子砲を発射する。
真琴「あれ? あれ?」
真琴は、何が起こったかわからない様子だったが、箸の先を見ると、表情が変わった。
真琴「祐一〜、あんたでしょう!」
祐一「なに言ってんだよ真琴。俺は何も持ってないぞ」
当然俺は白を切る。どうやら真琴は、俺のフィンファンネルの存在に気づいていないようだ。
俺は秋子さんに代えてもらった箸で、真琴の標的だったものを奪う。
真琴「あぅーっ・・・でも真琴の箸の先っちょが無くなってる〜」
秋子「あらあら、真琴、お箸代えるわね」
真琴は、秋子さんに先端の無くなった箸を渡す。
祐一「真琴、あんまり秋子さんに迷惑かけるなよ」
もっともらしく釘を刺す。
真琴はもう1度あぅーっと言うと、また好みのおかずを物色しはじめた。
そして真琴が見つけたおかずに箸を伸ばそうとした時。
いけ! っとまた真琴の頭上で待機していたフィンファンネルに、指令を出す。
当然、真琴の箸の先端は、また消えていた。
真琴「あれ? あれ〜?」
祐一「真琴、どうした?」
白々しく真琴に問う。
真琴「今度こそ祐一でしょ!」
祐一「だから俺は、何も持ってないだろって」
箸を持ちながら手を広げて見せる。
真琴「あぅーっ・・・・」
真琴はまた秋子さんに箸を代えてもらい、今度はキョロキョロと、周りを確認しながらおかずを取った。
俺は、箸ももったいないし、そろそろ勘弁してやるか。とフィンファンネルをファンネルポッドに回収してしまう。
それから先は、普通の食卓の風景が続いた。
最終的に、勝利者は名雪だったが・・・
俺が真琴をからかっている間に、食べまくったようだ。
名雪「ふ〜・・・お腹いっぱい♪」
祐一「そりゃ、あれだけ食べれば腹もふくれるだろ」
俺と名雪は、居間でテレビを見ながら食休みをしていた。
食べてすぐ寝ると伊集院になると言うが、このさいどうでもいい。
ん? なんか間違えた気がするな・・・まあ、別に大した間違いじゃないだろ・・・
まだまだ長い夜が始まった・・・
つづく
後書き
「わたしはナユちゃん!」第八話だお〜!
名雪「私の真似しないで!」
まあいではないか。
名雪「いやだよ。管理人が使うと汚れるもん」
そこまで言うか・・・
名雪「祐一だったら使ってもいいけどね♪」
けっ・・・この物狂いが・・・(ぼそ
名雪「・・・・管理人、言っちゃいけないことを言ったね・・・」
うげぇっ! 聞こえてたのか!
名雪「しっかり聞こえたよ・・・」
お願い! 勘弁! お助けーーーっ!!
名雪「ダ・メ・・・だよ」
い・・・いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!(逃亡
名雪「愛の心にて、悪しき空間を断つ! 名づけて、断・空・光・牙・剣!! やぁぁぁってやるよぉっ!!!」
ぐわぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!