わたしはナユちゃん!


第七話「VS名雪」

武装の搭載を済ませ、名雪の待つ喫茶店へ向かう。
そいて、その喫茶店の前に着いた時、ふと考えた。

このまま名雪の言いなりになっていて、いいんだろうか・・・
これからもイチゴサンデーをずっと奢らされるのは流石に嫌だ。
俺もそれなりの武装は搭載した・・・今なら勝てるかもしれない。
このへんで俺と名雪の力関係をハッキリさせておくか・・・・
そう思い、俺は・・・

祐一「ファンネルポッド展開! 行け! フィンファンネル!」

店内に向けて、フィンファンネルを発射した。
6機の無線誘導移動砲台が、俺の指示どおりに店内を駆け巡る。
そして・・・

祐一「撃て!」

俺の指示を受けた6機のフィンファンネルが同時にメガ粒子砲を発射する。
それが店内のいたる所に命中し、店内を破壊し尽くした。
ガラスは割れ、店内の壁は見事に崩壊していた。
俺はビームライフルを取り出し、構える。
不意打ちで攻撃したとはいえ、あの名雪がこれで倒せるとは思っていなかった。

名雪「ゆ〜いちぃ〜・・・」

祐一「やっぱりか!」

案の定名雪は生きていたようだ。
俺は続けざまにビームライフルを店内に向けて乱射する。

祐一「名雪! 俺はおまえにイチゴサンデーを奢り続けることは出来ない! だから俺は、おまえに勝たなきゃいけない!」

言いながらも俺は、ビームライフルを発射するのをやめない。
すると、店内に向けて発射していたビームライフルの1発が、名雪の展開したA・Tフィールドにはじかれる。

祐一「ちっ!」

俺は舌打をし、すぐさまビームライフルをしまい、ハイパーメガライフルを取り出す。
俺の武装は全てフル改造済みだ。そして俺の攻撃数値はα版だ。
いくら名雪の装甲が堅くても、これならA・Tフィールドを突き破り、名雪本体にダメージを与えられるハズだ。

祐一「くらえっ!」

名雪がいると思われる方向にハイパーメガライフルを発射する。
ビームライフルとは比較にならないビーム流が、一直線に名雪のいると思われる方向に飛んでいく。
が・・・

祐一「なに?! 手応えがない?」

俺が放ったハイパーメガライフルは、名雪に命中することはなく、店内の壁を粉々にしていた。

祐一「どこだっ!?」

慌てて名雪を探す、ニュータイプの能力を頼りに、感覚の力で名雪の居場所を探っていると、
後ろから強力な殺気を感じた。

祐一「後ろかっ!」

俺は急いでその場を離れる。
すると、俺が元居た場所を、強力なビーム兵器が貫く。そして俺が元居た場所は、見るも無残に消し飛んでいた。
後1秒でもあの場所にいたら、あのビームによって命を落していたところだろう。
俺の頬をつうっと汗がつたう。

名雪「ゆ〜いちぃ〜。酷いね〜。いきなり攻撃するなんて・・・お・し・お・き、だね」

名雪が姿を表すと、圧倒的な重圧(プレッシャー)がその場を支配する。
無謀な戦いを仕掛けたかも。と俺は後悔したが、
もう遅い。

名雪「祐一、行くよ・・・」

そう宣言すると名雪は、ハイパービームサーベルを振りかざし、俺に向かって突っ込んでくる。
俺はビームシザースを取りだし、応戦する。
バチバチ! っと、ビームの粒子が火花を散らす。

名雪「祐一、けっこうやるね」

祐一「当然だ! 俺は魔物とも戦ったことがあるんだからな」

名雪「でも、私に勝つにはまだまだだよ!」

名雪はパワーで俺のビームシザースを押し切ろうとする。
一体名雪のどこにそんな力があるのか、俺は1歩引いて、体制を立て直すことにした。

名雪「甘いよ!」

俺が1歩引くと同時に、名雪がツインバスターライフルを取りだし、発射する。
膨大なエネルギー粒子が光の矢となって襲いくる。
だが・・・

祐一「おまえも甘い!」

俺はツインバスターライフルを分身で回避する。が・・・

祐一「なにっ!?」

俺の眼前にまた、ビームが迫る。
かわせないし、もう防御も間に合わん!

祐一「くそーーーっ!!」

俺が覚えていたのはここまでだった・・・
しばらくして気がついたら・・・

名雪「祐一、気がついた?」

目の前に名雪の顔があった。
後頭部の温かい感触からすると、どうやら膝枕をされているらしい。

名雪「祐一、大丈夫?」

自分でやっといて、よく言えるものである。

祐一「おまえがやったんだろうが・・・」

名雪「でも、祐一がいきなり攻撃するから悪いんだよ」

元後言えば俺が悪いのか・・・
でも、なんで俺は名雪を攻撃したんだっけか?
俺はよく覚えていなかった。
しばらく沈黙が続くと、名雪が口を開く。

名雪「祐一・・・私にイチゴサンデー奢るの、そんなに嫌?」

そうだった。俺は名雪に奢り続けるのが嫌で戦いを仕掛けたんだ。
でも、もうそんな気持ちはなかった。

祐一「いや、そんなことない。さっきの俺はどうかしてたみたいだ」

もしかしたら、急に常人をはるかに上回る力を手に入れた俺は、少しおかしくなっていたのかもしれない。

名雪「じゃあ祐一、さっきの喫茶店の勘定お願いね♪」

祐一「さっきのって、俺が破壊した喫茶店の勘定か?」

名雪「うん。だって、喫茶店、もう直ってるもん」

祐一「あはははは、わかった、払ってくるよ」

ナノマシン装甲のせいか、もうちょっと完膚なきまでに破壊しておくべきだったな・・・
物騒なことを考える。

喫茶店に勘定を払いに行くと、もうよくあることなのか、修理代もなにも請求されずに、名雪の勘定のみで済んだ。

そして帰り道、名雪にさっきどうやって俺を倒したのか聞いてみた。

祐一「そういえば、名雪、さっきはどうやって続けざまに、ビームを撃てたんだ?」

名雪「あ、それはね、ツインバスターライフルを、2本に分けて1発ずつ撃ったんだよ〜」

祐一「それで俺は死なずに済んだのか」

俺は1回死んだのかと思ったが、気絶していただけだったので、疑問に思っていたのだ。

名雪「うんっ。だって、ただのおしおきだもん。それに、祐一には生返れても、死んでほしくないもん♪」

祐一「おまえ、恥ずかしいこと言うな」

名雪「祐一のこと、大好きだから・・・」

言いながらも真っ赤になる名雪。
でも、多分俺の顔も赤いんだろうな・・・

夕焼けの街を、2人真っ赤になりながら並んで帰った・・・

つづく

 



後書き

「わたしはナユちゃん!」第七話だ〜!
うぐぐ・・・またも、壊れが一切無かった・・・
名雪「完全にシリアスモードだねぇ」
ま、まあ・・・多少満足のいく戦闘シーンを書けたんでよかったです。
名雪「後半はラブラブだね。でも、私は良かったよ♪」
またやっちゃいました。
そんなにやるつもりなかったんだけど・・・・なんとなく、
ラブラブに持っていってしまった・・・
名雪「夜は・・・数話前にアブナイ話してたけど、やるの?」
どうしようかな・・・・
まあ、その時のノリに任せることにします(爆
名雪「なんだかやりそうな予感がするよ・・・」