わたしはナユちゃん!


第六話「Hi ν祐一、ロールアウト!」


俺が乾いた笑いをあげながら途方に暮れていると、急に後ろから声がかかった。

?「あっ、祐一さん♪」

祐一「えっ?」

振り返ると・・・佐祐理さんがいた。

佐祐理「祐一さん、お久しぶりです♪」

祐一「佐祐理さん、久しぶり」

1ヶ月ぶりに見る佐祐理さんの笑顔。やっぱり可愛いなぁ・・・
などということを考えていると、急に佐祐理さんの頬が膨らみ、

佐祐理「祐一さん。1ヶ月も何をしていらしたんですか? 佐祐理はすっごく心配してたんですよ」

あ、ヤベ、そういえば名雪以外には俺が戻ることを言ってなかったんだ。

祐一「ゴメンゴメン、ちょっと前に住んでた街に戻ってたんだよ」

佐祐理「そうだったんですか〜。安心しました〜」

佐祐理さんに笑顔が戻る。
佐祐理さんは笑顔でなきゃね。

祐一「そういえば、佐祐理さんはなんでここに?」

佐祐理「佐祐理は、今ちょっとお父様に呼ばれて来てるんですよ〜」

祐一「え? お父さんって議員じゃなかったっけ?」

佐祐理「そうなんですけど、お父様は議員もやっているんですけど、他の事業にも力を入れてるんですよ〜」

事業って・・・ハッ! そういえば倉田って・・・・

祐一「もしかして、アナハイム エレクトロニクスの倉田財閥って、佐祐理さんのとこ?」

佐祐理「ええ、そうですよ」

やっぱりか・・・って、議員の仕事なんかより、こっちの方が凄いじゃないか。

佐祐理「それで、祐一さんはここでなにを?」

祐一「あ、俺はちょっと武装を搭載させてもらおうと思って来たんだけど・・・なんかこの街の住人以外はお金がかかるみたいで・・・」

佐祐理「え? 祐一さん、住民票をこっちに移していなかったんですか?」

祐一「どうやら移ってないみたい」

そういえばそうだよな、住民票を移さないで、なんで転校できたんだ?

もしや・・・秋子さんの陰謀か?

佐祐理「ふぇ〜・・・そうだったんですか。でも、祐一さんなら料金なんて必要ないですよ」

祐一「え?」

佐祐理「佐祐理が話しを通しておきますから、祐一さんは自由に選んでください♪」

祐一「そんな、悪いよ」

一応遠慮しておく、物凄い値段だからな・・・・
でも、遠慮しても無駄な気がするが。

佐祐理「いいんですよ〜。住民の方々のみ無料と言っても、元々モニター扱いですから。そこに1人追加するのなんて、大した事じゃないですよ」

祐一「それだったら、お言葉に甘えさせてもらおうかな」

これ以上断ってもどうせ無駄なので、佐祐理さんの申し出を受けることにする。
それに、住民票を移してたら、その間に殺されかねない。

佐祐理「それじゃあ、祐一さんの武装を選びに行きましょう♪」

祐一「どんなのがいいかな〜・・・」

佐祐理さんに付いて行くが、佐祐理さんが急に止まる。

佐祐理「あ、その前に資質検査をしましょう」

祐一「資質検査?」

佐祐理「はい、基本的には、どんな武装も搭載可能なんですが、その人によって、使える武装と、使えない武装があるんですよ〜」

祐一「それを見極めるための資質検査なんですね?」

佐祐理「はい、では先に資質検査を済ませちゃいましょう」

たしかにな、人に得意不得意あるのと同じで、武装の相性ってのもあるわけだ・・・
って、もしかしたら、ファンネルってニュータイプじゃないと使えないとか!?

そして資質検査の結果・・・・

佐祐理「祐一さんは・・・攻撃系の資質はあまり高くないですね。その代わり、防御系の資質は凄く高いですよ。これなら、ありとあらゆる防御系の武装を、装備できます」

ぬう、何故だ? 何故防御の方が高い?
たしかに喧嘩とかにはあんまり自信はないが・・・って、もしや!?
真琴のイタズラを全て受けつづけたのが原因か?
うぬぬぬ・・・真琴め、こんなとこでも迷惑かけやがって・・・・

佐祐理「祐一さんが装備できる武装は、武器系がこのあたりまでで、シールド・バリア系は全部装備できます」

ええっと・・・・おっ!ファンネルは装備できないけど、フィンファンネルは装備できるか。
ついでだから普通のフィンファンネルでなく、ファンネルポッドのフィンファンネルにするか。

祐一「あ、フィンファンネルって、ニュータイプの技能なくても使えるんですか?」

佐祐理「祐一さんはニュータイプですから、心配しなくても大丈夫ですよ」

祐一「俺ってニュータイプだったんだ・・・初めて知った・・・」

となると、武器はνガンダム系で統一だな。

祐一「じゃあ、武器はHi νを基調に、HWSのハイパーメガライフルもつけて、後これとこれとこれと・・・・」

ふぅ、武器はこれだけあればいいだろ・・・

佐祐理「シールド・バリア系はどうしますか?」

祐一「う〜ん・・・・とりあえず全部つけてください」

防御系はありすぎても困ることはないので、装備できるものを全て搭載してもらうことにする。

佐祐理「わかりました〜。ではこっちに来てください。武装を搭載しますので」

そして奥に連れて行かれる。
通された部屋は、まさに機械の塊といった感じの部屋だった。
真中の椅子に座るように指示されたので、緊張しながらも座る。

佐祐理「すぐ終わりますから、ちょっと待っててくださいね〜」

佐祐理さんの優しい声と笑顔が、緊張をほぐしてくれたのを感じた・・・
そして、ほんの数分で武装の搭載は終わった。

祐一「なんか、何も変化を感じないけど、ちゃんと搭載されてるのかな?」

佐祐理「考えるだけで武装は出てきますから、試してみてください」

そう言われたので、試しにビームライフルを出そうと、念じてみる。
パッと手元にビームライフルが出現した。

祐一「へ〜、こりゃ便利だな〜」

佐祐理「武装は、いつでも自由に何度でも変更できるので、武装を変更したくなったら、また来てくださいね」

祐一「おう、そうさせてもらうよ。佐祐理さん、どうもありがとう」

お礼を言うと、佐祐理さんの頬が赤くなる。

佐祐理「いえいえ、佐祐理は当たり前のことをしただけです。この街で武装無しなんて、命がいくつあってもたりませんから」

何度でも蘇生はできますけどね。っと付け加える。

祐一「本当にありがとう。これで自分の身は、自分で守れるよ」

佐祐理「頑張ってくださいね。それでは、また学校でお会いしましょう♪」

祐一「ああ、また佐祐理さんのお弁当をご馳走になりに行くよ」

俺は、アナハイム エレクトロニクスを後にし、名雪の待つ喫茶店へ向かう。

つづく

 



後書き

「わたしはナユちゃん!」第六話です♪
やぁっと祐一に武装つけられた〜・・・
名雪「でも、今回はまったく壊れてないね」
ギクっ・・・あ、あははは。
ま、まあこんなこともあるさ。
名雪「しかも、住民票のこととか曖昧だし」
うぐぅ・・・・
そ、それについては、作者が無知なため・・・申し訳無い。
もしかしたら、住民票移さなくても転校できるかも・・・
っていうか、そんな話するつもりなかったのになぁ・・
名雪「だったら、なんでこうなったの?」
いや、書いてて気がついたのさ。
住民の定義が曖昧になるといかんなぁ、と。
名雪「でも、結局曖昧になってる気がするけど」
あぅーっ・・・・・・