わたしはナユちゃん!


第四話「今夜は君と・・・」


名雪「祐一、どんな武装にするつもりなの?」

俺が、どんな武装を搭載してもらおうか思案していると、横から突然声が掛かった。

祐一「うわっ! 名雪、いつの間に居た?」

名雪「え〜っとねぇ、祐一が飛び出してすぐくらいからだよ」

なにっ!? ・・・ってことは、俺がニヤニヤしてたのはモロバレか!?

名雪「祐一、なにニヤニヤしてたの? 気持ち悪いよ〜」

ぐはっ! やっぱバレてる。

祐一「いや、ニヤニヤしていたわけではないのだ。なんかこう、凄く複雑な哲学的考えを廻らせていたのだ」

凄く苦しい言い訳だった。

名雪「へ〜、そうだったんだ〜」

だが名雪は信じていた。

名雪「で、考えはまとまったの?」

祐一「うむ、最終的に、今夜は名雪とくんずほぐれつすることに決まった」

くくく、名雪の反応が楽しみだ。

名雪「えっ? えっ?」

名雪の顔がどんどん赤くなっていく。初やつめ。

名雪「で、でも・・・・・祐一なら・・・いいよ・・・

な、なんですとーーーーっ!?!?
そ、それは今夜はなにをしようとオールオッケィ、ってことと解釈してよろしいんでしょうか、名雪さん?


名雪「・・・・・(コクリ)」

祐一「な、なんで頷いた? 名雪」

名雪「・・・・・・だって・・・・祐一、声に出してた・・・・

し、しまった! またやっちまったーーーっ!!
でも! 今回は結果オーライだ!

祐一「名雪、今夜は・・・寝かせないぜ」

名雪はさらに顔を真っ赤に染める。そして・・・・

名雪「・・・う、うん・・・(ポッ」

ぃよっしゃーーーーっ!!!!
今夜は1ヶ月ぶりの名雪の体を楽しむことにしよう・・・
・・・でも俺達、天下の公道で、なんて会話をしているんだろう・・・
そう考えると、俺の顔も真っ赤になった。
そして、無言で商店街に向かって走っていく俺達。

祐一「あ、そういえば名雪。なんで付いて来たんだ?」

名雪「だって、外は危険なんだよ? 祐一を守らなくっちゃ、と思って・・・」

そう言ってまた赤くなる名雪。

祐一「そうか、ありがとな、名雪」

俺は名雪の髪を撫でてやる。
それが嬉しかったのか、名雪は・・・

名雪「うん! 祐一は、私が命を賭けて守るよっ!」

そう言うやいなや、名雪はR-GUNパワードを取り出す。
そしてそのR-GUNパワードをHTBキャノンに変形させる。

名雪「一撃必殺バスタァァァァァキャノンッ! 発射ぁっ!!」

祐一「ちょっ・・・まっ」

俺の静止も聞かず、名雪はHTBキャノンを発射させる。
閃光と共に発射された極太のエネルギー流は、周囲の人々から建物を一瞬にして塵にかえた。
そして、俺達の直線状には、何も残らなかった。

名雪「さっ、祐一、早くいこっ♪」

俺は呆然と立ち尽くしていた。

名雪「何してるの? 早く行かないと、せっかく掃除したのに、建物再生しちゃうよ?」

祐一「な、なにやってんだ! なゆきぃぃぃっ!」

はっと我に返った俺は、あらん限りの力を振り絞って叫んだ。

名雪「え? だって、早く着いた方がいいし、直線状に居た私への挑戦者も一辺に片付けられるから、一石二鳥だと思って」

祐一「だからって、建物ごと消滅させんでも・・・」

俺は頭を抱えた。

名雪「祐一・・・迷惑、だった?・・・」

名雪が目をウルウルさせ、上目遣いで俺を見つめる。
グ・・・めっちゃ可愛い。

祐一「いや! そんなこと全然ないぞ! さあ、早く行こう!」

消滅した方々・・・・明日は明日の風が吹くさ・・・
全然謝罪に、いや、フォローにすらなっていなかった。
そして俺達は、一路商店街の転送所を目指す。


つづく

 



後書き

「わたしはナユちゃん!」第四話をおおくりしました。
なんだか、ほのラブになってしまった・・・
名雪「やった〜っ♪ 私、出番あったよ〜♪」
(あれだけ脅しといて、よく言う・・・)
名雪「なんか言った?」
いや、なんでもないです。
(ここでまた、殺されるわけにはいかん・・・)
名雪「でも、今回いつもより短かったね」
ああ、それはね、キリの言いとこで終わらせようと思ったから。
そのせいか、話が全然進んでないけど。
名雪「う〜ん、私は祐一とラブラブできたからそれで満足だよ〜♪」
ほんとは、今回で祐一に色んな武装を搭載させる予定だったのになぁ・・・
まあ、いいか・・・
(殺されないで済んだだけ、マシか)
名雪「ゆっういち〜♪ ゆっういち〜♪」