わたしはナユちゃん!
第壱拾伍話「委員会1」
祐一や名雪が校庭で演習をしていたころ、校内のある一室では・・・
?「うぐぅ・・・祐一君が帰ってきたって、本当?!」
凄く聞き覚えのある声と、誰だかバレバレな口調が室内に響く。
が、当の本人の姿はどこにも見えない。見えるのは、07と書かれた黒い石板のようなものだけである。
?「ええ、確かよ。私は、無視されたけど、話し掛けることに成功したわ」
ボウっと、01と書かれた黒い石板が出現する。
すると、次々に数字の書かれた黒い石板が出現する。
全部で7枚の石板が、円を描くようにしている。
その姿はさながら、某特務機関の裏にいる組織のようだ。
01「皆集まったみたいね。これより、我等の相沢祐一を魔王水瀬名雪から奪還(ゲットバッカーズ)する作戦会議を始めます。議長は、私が勤めさせていただきます」
会議といっても、ここにいる連中は皆敵になる人達、気を付けないとね・・・
02「作戦と言っても、問題は、あの名雪さんをどうするか、なんですよね」
名雪さんには、私じゃ勝てないです。誰かと相打ちしてもらって、その隙に祐一さんを・・・
03「あぅーっ・・・名雪は、強すぎるわよ・・・」
私だって祐一と愛し合いたいのに・・・いつも名雪ばっかり・・・これじゃ生殺しよ〜・・・
04「あそこまで強いとは、計算外でしたね・・・」
何故あのボーっとしている方があんなに強いんでしょう。そんな酷なことは・・・
05「・・・・全員で掛かれば、なんとかなる・・・」
祐一は私と佐祐理のもの・・・他の誰にも渡さない・・・
06「あははーっ なんとかなりますよ〜」
皆さん利用できるだけ、利用させていただきますよ・・・祐一さんは、誰にも渡しません・・・
07「うぐぅ・・・ボクも頑張るよ!」
騙されちゃダメだよ、祐一君。名雪さんは本当は悪魔なんだよ・・・
皆それぞれに別な考えを模索しているようだが、相沢祐一を思っているということに変わりはないようだ。
多少曲がった思いのようだが・・・
01「では、具体的な会議を始めます。なにか作戦は?」
07「はいは〜い! ボクにいい考えがあるよ」
07の石版が元気よく手を上げる。
が、石版なので、石版の角が持ちあがっているだけである。
01「では07、作戦の説明を」
07「うん。まずはね、いっぱいのイチゴを用意するの」
一同ふむふむと頷く、6枚の石版が、傾いたり戻ったりを繰り返しているので妙な光景である。
07「それでね、後はおっきなザルを用意して、罠をはって、名雪さんがかかったところで、みんなで攻撃すれば・・・」
ズコーーッ!! っと、07以外の石版がハデにこける。
01「いたた・・・そんなことで倒せたら苦労はないわよ!」
いくら極度のイチゴジャンキーとはいえ、そんなトラップ程度であの名雪を倒すことはできないのだ。
06「あははーっ、でも、猫を使えばなんとかなるんじゃないですか?」
01「無理よ。神龍を生み出させる程の技術があるのに、たかが猫アレルギー如きを直せないとでも? もう名雪は猫アレルギーじゃないのよ」
名雪の最大の弱点である、猫すらも改善済み。
そして、毎日ピロと思う存分遊んでいるので、野良に惑わされることもないのだ。
05「他に・・・弱点は?」
01「そうね・・・・もう、アレしか・・・」
言いかけてハッとする01。
そして、03がビクッ! と反応する。
アレとはなにかを悟ったようだ。
そう、アレとは・・・アークデーモンとも呼ばれている、名雪の母、水瀬秋子が作る例のブツ。
一般には「謎ジャム」と呼称されている物質である。
材料等は一切謎のヴェールに包まれているが、水瀬秋子のお気に入りのジャムなのだ。
その味は凄まじく、某青年は、「一瞬えいえんが見えました」 と語っている。
例え最強の強さと武装を持つ名雪といえど、あのジャムの前ではその強さも児戯にも等しいのである。
まさに究極のBC兵器、それが「謎ジャム」なのだ。
06「アレって、なんですか?」
01と03以外はアレのことをまったく知らないようで、仕切りに首を傾げている。
ある意味知らないというのは、幸せなことなのかもしれない・・・
01「いえ、なんでもないわ。流石にあれを利用するのは自殺行為だわ・・・」
02「おね、いえ01、今なにか言いませんでした?」
そう02が言った瞬間、01の表情が一変する。
石版なのでわからないが。
01「02! そのことには2度と触れないで!」
02「は、はい!」
01の物凄い剣幕にけおされ、たじろぐ02。
01「ごめんね、アレのことはもう思い出したくもないの・・・」
01の頭の中では、アレを食した記憶が交錯していた。
出来ることなら末梢したい記憶、「忘れたいのよ。この悪寒を・・・By某ガンダムマニアの美女」 である。
?「アレとはなんのことですか?」
つづく
後書き
お待たせしました、「わたしはナユちゃん!」第壱拾伍話です。
名雪「もう忘れられてるんじゃない?」
申し訳ない・・・諸事情により、遅れまくりでした。
名雪「諸事情も何も、ただ単にサボリでしょ・・・」
それを言わんといてください(涙
名雪「しかも今回短いし・・・」
あ、それはココで区切っといた方がキリがいいからで・・・
名雪「でも短すぎだよ」
まあ確かにね。ギャグもそんな入れられなかったし・・・
でも、次は頑張りますよ。
名雪「毎回そう言って失敗してるよね・・・」
あぅーっ・・・・