わたしはナユちゃん!


第壱拾四話「ガンダムファイト」

俺の名前を叫びながら突進してくる男は、北川だった。

北川「あいざわぁぁぁぁっ!!」

祐一「おうよっ!」

北川の叫びに俺も応える。

祐一「流派! 東方不敗はぁっ!!

北川「王者の風よ!

祐一「全新系裂!」

北川「天破侠乱!

祐一&北川『見よ! 東方は、赤く萌えている!!

微妙に大間違いな台詞だった。

北川「久しいな! 相沢!」

何故か台詞の一言一言の声がデカイ北川、やはりキングオブハートだからだろうか・・・
っていうことは・・・コイツの搭載いている武装は、聞くまでもないな・・・

祐一「やはりおまえとも戦わなきゃいけないのか・・・」

悪友とはいえ、やはり親友と戦うのは気が引ける。
北川もそれを理解しているのか、無言で俯いている。
そして、意を決したのか、北川が重い口を開く。

北川「相沢、親友(とも)とて、戦わなければならない時はある」

そう、今ここは生徒同士の殺し合いの場なのだ。
何もしないでじっとしているわけにはいかない。

祐一「北川、恨みっこなしだぞ」

北川「おうとも!」

北川との戦いの火蓋が、切って落とされようとしていた・・・

ストーカー「ガンダムファイトォォッ! レディィィ・ゴォォォォォッ!!!」

突然現れた、謎のオヤジの合図でスタート。
俺と北川は、スタートと同時に、地面を蹴り、互いの獲物で交差する。

祐一「シャイニングフィンガーとは、こういうものだーーっ!!

北川「必殺! シャイニング・フィンガァァァァッ!!!

俺は溶断破砕マニピュレーター、北川は本家本元のシャイニングフィンガー。
軍配は、北川に上がった。

祐一「くっ・・・やるな、北川・・・」

やはり、攻撃系の素質が足りないせいか、俺は溶断破砕マニピュレーターを使いこなすことが出来ず、
北川のシャイニングフィンガーに競り負けてしまった。

北川「まだ使いこなせていないみたいだな」

祐一「やっぱ慣れないことはするもんじゃないな、資質がたりなかったみたいだ」

北川「資質がたりないもので俺を倒す気でいたのか。舐められたもんだな」

北川から怒気が感じられる、そうとう怒っているようだ。
俺としては、ただ単にシャイニングフィンガー同士の対決をしてみたかっただけなのだが・・・
とりあえず、これは火に油を注ぎそうなことなので、言わないでおくことにする。

祐一「なら、次で決めるか」

北川「よし! 来い!」

俺はファンネルポッドから、フィンファンネルを6機全部を射出する。

祐一「くらえ、北川! フィンファンネル!!」

ファンネルが高速で旋回し、北川を取り囲む。
そして俺は、ハイパーメガライフルを取り出す。
が、北川は微動だにせず、目を閉じ、その場を動かない。

祐一「何を考えてるか知らないが、行けーーっ!!」

フィンファンネルに指令を送り、北川を蜂の巣にすべく、フィンファンネルがメガ粒子砲を発射しようとした、
その時・・・

北川「うおおおおおぉぉぉっ!!」

北川が、パっと目を見開き、咆哮を上げつつ、高速で旋回していたフィンファンネルを、
叩き落し始めた。

祐一「何!? なら、これでどうだぁぁっ!!」

俺は続けざまにハイパーメガライフルを発射する。
だが、それも北川に命中する瞬間、分身によって回避されてしまった。
そして北川の反撃・・・

北川「俺のこの手が真っ赤に燃える! 出番をよこせと、轟き叫ぶ! 主役はいただく! 爆熱、ゴッド・フィンガァァァァッ!!!

祐一「それが本音か! 北川!」

北川「おまえが死ねば、俺が主役だーーっ!! 石破天鏡拳!!!

祐一「そんなことで死んでたまるか!」

俺は北川の石破天鏡拳を、分身で回避。やっぱ反則だよな、50%の確率でなんでも回避ってのは。

北川「分身・・・おまえもか、相沢」

祐一「防御系は一通り使えるんでね」

だが、今回の攻撃で終わらせるつもりでいた俺は、かなり消耗していた。
こりゃ死ぬかもな、と覚悟した次の瞬間・・・

名雪「祐一〜、どいてどいてー!」

俺の背後に名雪が立っていた。腹からアストラナガンを突き出して。

どうやら、アストラナガンのインフェニティシリンダーを、更に強力にした武器、ドグマブラスターを使うようだ。
ドグマブラスター、α外伝で2番目に強い敵の武器である。
攻撃力5500、射程11、まさに悪魔の兵器である。射程外からの攻撃など、夢物語だ。

そうこうしているうちに、名雪の腹から突き出たアストラナガンが、インフェニティシリンダーのエネルギーチャージを始める。
続いて名雪も、両手からエネルギーを放出し、インフェニティシリンダーのエネルギーと融合させ、ドグマブラスターへと変化させる。

名雪「祐一、行くよーーっ!!」

祐一「ちょっ、待てーーーっ!」

遅い、名雪はドグマブラスターを発射し、俺もろとも、北川を葬ろうとする。

北川「そんなの、アリかーーーーっ!!」

俺は、HWSを切り捨て、命辛々脱出。北川は、多くの男子生徒を巻き込み、消滅していった。

祐一「おまえ、何で攻撃した?」

名雪「なんでって、援護攻撃だよ♪

祐一「俺ごと撃つな!

ポカっと名雪の頭を小突く。
名雪は、せっかく助けてあげたのに、とブツブツ文句を言っている。

その後、名雪が一気に大量の男子生徒を葬ったおかげで、残りを掃除するだけですんだ。
もう1人、久瀬あたりが掛かってくるかと思っていたが、北川と一緒に、ドグマブラスターで消滅していた。

つづく

 



後書き

「わたしはナユちゃん!」第壱拾四話でやんす!
男と男の熱いバトル終了です!
名雪「私のおかげだよ〜」
ちょっと卑怯だったけどね・・・
名雪「卑怯じゃないおー! 援護攻撃だおー」
はいはい、そうでしたね。
名雪「う〜・・・誠意が感じられないお〜」
そんなことないさ〜・・・
名雪「その腐った根性、叩きなおしてやるおー」
え? な、直りました!
直ったんで勘弁してください!
名雪「ダメだおー」

名雪「時を遡り、お前は無に帰するのだ。インフェニティシリンダー、発射!

今度はそっちかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!