わたしはナユちゃん!


第壱拾参話「漢の戦い」

学年首位女を軽く無視して1時間目の授業・・・
のハズだったのだが・・・

祐一「なあ名雪。なんで俺達校庭に出てるんだ? 体育ってわけでもなさそうだが」

名雪「あ、祐一は知らないんだよね。この時間はね、演習の時間に変わったんだよ」

祐一「はあ? 演習ってなにすんだよ?」

演習と聞いてもいまいちピンとこない。
でも、おそらくは、黒歴史兵器に関係あるんだろうなぁ・・・

名雪「う〜んとね、簡単に言えば、生徒同士の殺し合いだよ」

人はそれを実戦と呼ぶ。
はあ、そうですか、俺らにバトルロワイヤルをやらせようってことですか、先生。

祐一「ま、殺るしかないってことか」

どうもこの街に来てから、命の尊さ云々がどうでもよくなった気がするな。
多分、いや間違い無く、神龍のせいだな。

名雪「祐一、頑張ろうね♪」

祐一「おまえは、この街を破壊しないように気をつけろよ」

名雪「努力はするよ〜」

こいつの努力はアテにならん。気をつけねば。

教師「おら〜、お前らくっちゃべってないで、始めるぞ!」

新任の国崎とかいう教師のホイッスルを合図に、戦闘開始。

開始前から異様な殺気を感じていた俺は、速攻でファンネルポッドを展開させ、その場を飛びのく。
案の定、俺の居た場所は、数発のビームライフルの一斉射撃によって、地面の形が変わっていた。

生徒A「ちっ、かわしやがったか」

生徒B「貴様ばっかりモテやがって、積年の恨み、ここで晴らしてやるぜ!」

やっぱりそれか。
俺は、ビームライフルとビームサーベルを素早く取りだし、名も無いクラスメートを次々と倒していく。

祐一「名も出番もないお前ら程度が、俺に勝てると思うんじゃねーーっ!!」

俺もかなり酷かった、まあ、事実だしな。
そこらの雑魚になら、負ける気はしない。
だが、いかんせん数がハンパじゃない。この演習、2年のクラス全ての合同なので、男子だけで200人近くいるのだ。
流石にこれだけの数を相手にするのは疲れる。

十数名の野郎を葬った時、後ろからロックオンされていることに気がつき、分身でその攻撃を回避する。
回避した攻撃は、俺の前にいた数人の生徒を一瞬で吹き飛ばしていた。

祐一「誰だ!?」

振り向くとそこには・・・まったく知らない男が立っていた。

?「ふふふ・・・相沢、久しぶりだな」

祐一「・・・・・ってか、おまえ誰?」

?「斎藤だ!」

祐一「ああ、あの名前だけで、立ち絵もなければ台詞もない斎藤か」

すっかり存在自体忘れていた。
その程度の存在だし、仕方ないだろ。

斎藤「ええい! そんなことはどうでもいい! 勝負だ! 相沢!」

祐一「いいだろう、かかってこい!」

こいつなら多少は骨がありそうだった。
斎藤は、シールドと大型のビームライフルらしきものを取りだし、俺に向かって突進してくる。

斎藤「死ねーーーっ! 相沢ーーっ!!」

斎藤がシールドを振りかざす。すると、シールドの先端の穴の空いた場所から、
高熱で赤くなった鎖のようなものが飛び出す。

祐一「ヒートロッドか! だが!」

俺は何もしないで、ただ棒立ちを続ける。

斎藤「臆したかあいざ・・わっ!?」

斎藤が俺の眼目で何かに阻まれ、弾き飛ばされる。

斎藤「な、何だ? 何が起こった?」

何が起こったのかわからない斎藤は、しきりに、周囲を見まわしている。

祐一「フハハハハッ! 斎藤、貴様は俺に触れることすらできんのだ」

似合わない高笑いを上げ、斎藤を阻んだモノの正体を見せつける。

斎藤「なに?! A・Tフィールド(絶対領域物理的障壁)だと!?」

4000までのあらゆるダメージを無効化する、スパロボ史上最強のバリヤー。
それがA・Tフィールド。

祐一「斎藤、貴様にこのA・Tフィールドを貫ける方法はあるまい。投降すれば、命だけは助けてやってもいいぞ」

すっかり悪役気分だった。
だが、斎藤は不気味に笑う。

斎藤「ククククク、相沢、俺を舐めるなよ。俺にはまだこれがある!」

そう言うと、斎藤は手に持っていた大型のビームライフルらしきものを構える。

祐一「たかがビームライフルごときで、俺のA・Tフィールドを貫けると思ってるのか?」


斎藤「はっ? これがビームライフルだと? おまえの目は節穴だな」

斎藤は言い終わるやいなや、発射体制に入る。
ライフルの一部が伸び、二股に割れる。
ビームライフルではなく、メガキャノンだった。

斎藤「食らえーーっ!!」

斎藤がメガキャノンを発射する。
ツインバスターライフルに匹敵するほどのエネルギー流が俺を襲う。
がしかし・・・

祐一「なるほど、それなら俺のA・Tフィールドを貫けるだろうな。だが、狙いが甘い!」

俺はメガキャノンを瞬速で回避し、反動で硬直している斎藤の腹に、ビームサーベルを突き立てた。

斎藤「ぐっ・・・・・何故だ!? 何故俺はおまえに勝てない?!」

祐一「ぼうやだからさ・・・」

思いっきり使う場所を間違えた台詞と共に、斎藤を両断し、倒した。

斎藤を倒し、A・Tフィールドを張りつつ、しばし休憩していると、正面から向かってくる
1人の男がいた。

?「あいざわぁぁぁぁっ!!!」

つづく

 



後書き

「わたしはナユちゃん!」第壱拾参話ですたい。
さ〜、男と男の熱いバトル開始だ!
名雪「私の出番は〜?」
あ、それはちゃんと用意してあるんでご心配なく。
名雪「安心したお〜」

それじゃ、また次回にお会いしましょう。