わたしはナユちゃん!
第壱拾弐話「学校へ行こう!」
夢
夢を見ている
終わらない悪夢(ナイトメア)
ブヒヒヒヒッ! この男はもうボクの思いのままじゃない!?
死ぬ時間だってボクが決めてあげようじゃない!?
でも・・・その悪夢が終わる時・・・
えっ!? 待ちなさいよ!? ボクの出番もう終わり!?
連載終わって数年経って、やっと手に入れた出番なのに〜!?
また・・・更なる悪夢が始まる・・・
『あさ〜 あさだよ〜 本編のヒロインより、ザ・ドラに出てる女の子の方が可愛いよ〜』
祐一「またドラ○もんネタかよっ!!」
いやまあ、たしかに認めるけどな。
ロビンはかなりの大当たりだったし・・・
ミミミも悪くはなかったしな。
朝っぱらからこんなことを考えても仕方ないので、名雪から借りた時計に1発突っ込みを入れて着替える。
そしていつもの日課、眠り姫起こしを再開することにする。
祐一「名雪ーっ!! 起きろーーーっ!!!」
大声を上げながら、名雪の部屋のドアを殴打する。
多分これでは起きないだろう。名雪の眠り姫っぷりは、俺が来た時より数段パワーアップしている。
人間の環境適応能力というのは恐ろしい。もう俺の起こし方に対して、免疫ができているのだ。
いつものように、名雪の部屋に入り、鳴ることのなかった目覚し時計を、ゴルゴ13ばりの正確さで止めていく。
次に、ベッドの上で安らかな寝顔をたたえる、眠気の権化、名雪を起こしにかかる。
祐一「名雪ーーっ!! 起きんかーーっ!!」
ありったけの声を張り上げながら名雪を揺さぶる。
名雪「う〜・・・ゆういち・・・だいすきだよ〜・・・」
こんな朝っぱらからなに恥ずかしいこと言ってんだ、コイツは・・・
祐一「それはわかってるから、起きろーーーっ!!!」
恥ずかしさも手伝って、かなり激しく揺さぶる。
名雪「・・・ゆういちぃ・・・・あと5分〜・・・・」
祐一「起きてんじゃないかコラーーっ!!!」
更に激しく揺さぶる。いい加減腕が疲れてきた。
名雪「ううう・・・祐一が・・・キスしてくれたら、起きるよ〜・・・・くー・・・」
こ、この眠り姫は・・・くっ・・・仕方ない・・・
名雪の顔に自分の顔を近づけ、ちゅっ、と口付けをする。
ホント、朝っぱらからなにやってんだよ。俺は・・・
名雪「祐一♪ おはよ♪」
祐一「起きたんなら、さっさと着替えてこいよ」
名雪「あ、待って、祐一」
部屋を出ようとしたところを、名雪に止められる。
祐一「今度はなんだ?」
名雪「手、引っ張って・・・起こして」
祐一「キャラが違うだろ!!」
うー、と、唸る名雪を置いて、階段を下り、顔を洗い、リビングへ向かう。
秋子「おはようございます、祐一さん」
祐一「おはようございます」
秋子さんと挨拶を交わし、自分の席につく。
秋子さんが俺の分の朝食を運んできてくれる。今朝のメニューはトーストとスクランブルエッグのようだ。
しばらくすると、やっと着替えてきたのか、名雪が下りてくる。
名雪「おはようございます〜」
あんな起こし方をしてやったというのに、名雪は半分寝ていた。
祐一「名雪、時間無いんだから早くしろよ」
名雪「イチゴジャム美味しい〜・・・」
聞く耳もたんかこのアマは・・・
祐一「早くしないと置いてくぞ」
名雪「え? ま、待ってよ祐一。もう少しだから」
祐一「わかったよ。あと3分だけな」
俺も甘いもんだ。
その3分待つせいで、全力疾走しなければならなくなるというのに・・・
名雪「ごちそうさまでした」
祐一「名雪! 行くぞ」
名雪「うん」
名雪が食べ終わると同時に、亜光速で靴を履き、家を飛び出す。
祐一「名雪、時間は!?」
名雪「え〜と・・・・・・・・・あと10分だよ・・・」
祐一「マジか?」
名雪「うん、マジ」
キャラが違うだろ、と思ったが、時間が無いので走るのに専念する。
祐一「あ、そうか、あれがあったのを忘れてた」
走り出して少したったころ、ふと思い出したことがあった。
名雪「どうしたの? 祐一?」
祐一「名雪、クロスゲート・ドライブを使うぞ」
名雪「あ、その手があったね〜」
名雪がポンっと手を叩く。
祐一「おまえ、今まで気が付かなかったのか?」
名雪「全然気づかなかったよ〜。今までは、邪魔な建物を破壊して走ってたから」
おまえは武器を使わずにはいられないのか・・・
祐一「と、とにかく行くぞ!」
名雪「うんっ」
クロスゲート・ドライブを使い、学校の校門に出る。
祐一「なんとか、間に合ったな」
名雪「クロスゲート・ドライブを使ったからね」
これからはいつもこの手でいくか・・・
?「名雪、おはよ」
祐一「せっかく早く間に合ったんだし、早く教室に行くか」
名雪「うん、そうだね」
?「相沢君も久しぶり。って、無視しないでよっ!」
祐一「なんか話し掛けられてる気がするが、気のせいだよな?」
名雪「多分気のせいだよ」
スタスタと歩いていく俺達の後ろで、誰か泣いていたような気がするが、やっぱり気のせいだろう。
ウェーブのかかった髪の、学年首位の女など、俺は知らん・・・
つづく
後書き
「わたしはナユちゃん!」第壱拾弐話だす。
祐一「やっとまともに壊れだな」
まだおまえなのかよ・・・
祐一「なんか文句あんのか?」
おまえの存在そのものに文句がある。
祐一「んだと、このヘボ物書きがーっ!!」
黙れ。
ズシャァッ!!
祐一「グファッ!」
フハハハハハッ! 筆者に逆らったらこうなるのだ!
名雪「祐一になにしてるの・・・」
ギクゥッ!
な・・なななな、名雪しゃん?
名雪「私の祐一に酷いことして・・・許さないよ・・・」
あわわわわ・・・
名雪「私のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ! 行くよ! 爆熱! ゴッド・フィンガーーーッ!!!」
んぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!