わたしはナユちゃん!


第壱拾話「蜜の夜(中編)」

名雪が顔を赤らめながら風呂場に入る。が・・・

祐一「なんでそんなバスタオル巻いてんだよ」

名雪は胸から太ももまで隠れる、大きなバスタオルを巻いていた。

名雪「だって、恥ずかしいもん」

祐一「恥ずかしいってなぁ・・・俺はおまえの裸は、何回も見てるぞ」

名雪「う〜、でも、恥ずかしいんだよ〜」

祐一「にしても・・・混浴の温泉じゃないんだから、それ取れよ」

名雪「うーっ・・・わかったよ。でも、あんまり見ないでね」

祐一「努力はしよう」

名雪がバスタオルをパサっと外す。
すると、名雪の陸上部で鍛え上げられたスラリとした体が露になる。

祐一「(ゴクリ)」

思わず生唾をのんでしまった。
そして、我がムスコがムクムクと膨張を始める。

名雪「祐一・・・見ないでよ〜」

名雪が両腕を使い、胸と股間を隠す。
その仕草がまた色っぽい。

祐一「おまえが綺麗すぎるのが悪い! 男の股間に罪はないぞ!」

無茶苦茶だった。

名雪「えっ? 綺麗?」

ハッ!? 俺はなんてことを口走ってしまったのだ・・・
・・・・・ちっ・・・まあ言ってしまったことはもう仕方が無い。
思いがけず綺麗と言われてしまった当の名雪は、

名雪「(祐一が綺麗って言ってくれた、祐一が綺麗って言ってくれた、祐一が・・・)」

なんだかイケナイ方向へトリップしているようだった。

祐一「・・・お〜い、名雪〜・・・」

名雪「祐一♪ 私も入るね♪」

いきなり名雪が湯船に飛び込む。
ザバーンと、湯が風呂場に溢れ出す。

祐一「名雪〜、いきなり飛び込むな。あぶないだろうが」

名雪「だって、祐一と一緒に入りたかったんだもん♪」

名雪は終始ニコニコしている。よほど嬉しかったのだろうか・・・
まあ、トリップしてるよりはマシか・・・

祐一「そんなに嬉しかったのか?」

名雪「うん、凄く嬉しかったよ〜♪ 祐一が綺麗、なんて言ってくれたの初めてだし♪」

そういえば、そうだっけか・・・
だが、今そんなことより切迫した問題があるのだ。
そう、俺のムソコがいきり立ったままなのだ。
これは、名雪に悟られぬようにせねば・・・

祐一「名雪、背中流してくれないか?」

名雪「うん、いいよ〜」

名雪が俺の申し出をアッサリ受ける。
名雪に背中を流してもらっている間に、ムスコを静めようという作戦だ。

祐一「じゃ、頼む」

名雪「りょうかいだよ〜」

名雪にいきり立つムスコを悟られないように湯船を出て、風呂場のイスに名雪に背を向けて座る。

名雪「じゃあ、いくよ〜」

名雪が、石鹸をつけて泡立てたボディタオルで、背中を擦り始める。
俺はそれに集中し、ムスコを静めようとする。

祐一「名雪、もうちょっと上たのむ」

名雪「うん」

名雪が俺の首筋に手を伸ばそうとしたその時、

名雪「きゃっ?」

名雪が足元に転がっていた石鹸に足を滑らせ、俺の背中に倒れこんだ。
ふよん、と俺の背中に柔らかい感触が伝わる。もしや・・・これは!
名雪の胸が俺の背中に押し付けられていた。

祐一「(や、ヤベっ!)」

もう遅い・・俺の静まりかけたムスコは、フェラーリのエンジンでも積んでるのかように、ブルン! と、そそり立った。
そして・・・

名雪「いたた・・・祐一、大丈夫だった?」

祐一「あ、ああ・・・」

どうにもぎこちなく答える俺。
名雪が置きあがろうと手を伸ばしたそこには・・・

祐一「えっ!?」

名雪「どうしたの? 祐一? あれ? この固いの何?」

名雪が俺のムスコに触っていた。
そして名雪は、その固いモノの正体がわからず、仕切りに首を傾げている。
俺は意を決し・・・

祐一「な、名雪。そ、それは・・・俺の・・・(ピーーー!(自主規制)」

きっと今、俺の顔はゆでだこのように真っ赤なんだろうな・・・

名雪「え? ・・・・・ええぇーーーーーっ!?!?」

名雪が後ろに倒れこみながら後退る。
顔はすでに湯気がでそうなくらい真っ赤だ。

名雪「ゆ、祐一。ごごご、ごめん」

祐一「い、いや、いいよ」

2人して黙り込んでしまったため、しばし沈黙が続く。
その沈黙を打破したのは、名雪だった。

名雪「祐一・・・エッチだよ」

さっき謝ったのはどこえやら。
名雪がボソっと抗議する。

祐一「し、仕方ないだろ。俺だって健康な男子なんだ、あの状況で立たない方がおかしい」

必死に弁解するが、

名雪「祐一のエッチ〜」

名雪は聞く耳をもたなかった。

俺はだんだん腹が立ってきた。

祐一「今度は名雪の背中を流してやろう」

名雪「え? 私? わ、私はいいよ〜」

名雪は、俺の考えを察したのか、首を横に振りつづける。

祐一「いや、俺の背中を流してくれたお礼をしなきゃな」

お礼の部分を強調する。

名雪「いいってば〜」

名雪はなおも首を横に振る。
だが、ここで引き下がるわけにはいかない。

祐一「なにもやましいことはない。俺はただお返しに名雪の背中を流したいだけだ」

精一杯の誠意を真面目な顔でしめす。もちろん偽りの顔だ。

名雪「う・・・わかったよ。じゃあお願いね」

くくく、名雪め。簡単に騙されおってからに・・・仕返し開始だ。

つづく

 



後書き

「わたしはナユちゃん!」第壱拾話でした。
名雪「祐一とラブラブ〜♪」
もう今回は、壊れは捨てました。
次回もラブラブでいきます!
名雪「やったよ〜♪」
さて、今回で「わたしはナユちゃん!」も早くも壱拾話目、この辺で設定の説明をします。
このSSのキャラ設定ですが、とりあえず、全員のエンドを終え、全員無事という状況です。
メインは名雪シナリオですけどね。
季節は不明、名雪エンド(エピローグ後)の2ヶ月後です。
多分6月あたりでしょう(笑
後の詳しい説明はまた今度ということで〜・・・