「くうぅらぁえぇぇっ!!必殺!!!」
グラビティー・ウォールを腕部に集中展開、そしてぶん殴る。それだけ。
だが、効果はあったようで、直撃を受けた最後のマラサイは、みごとに砕け散り、爆発した。
「ほぉう・・・流石はヒュッケバインだ・・・雑魚どもでは相手にならんか・・・」
そう、残るはこいつだけになった。なったんだ、なのに・・・
勝てない・・・
心の奥からそんな声が聞こえてくるようだ。
勝てるはずがない・・・
なんなんだ・・・この気持ちの悪い感覚は・・・
・・・相手はたったの一機、だというのに一向に勝てる気がしない。
間違いない・・・あいつは間違いなく、強い。
スーパーロボット大戦α外典
〜エンドレス・カノン〜
第二話
友のために
「祐一、舞」
通信機から飛鳥の声が流れてくる。
「・・・何だ」
「奴に立ち向かっても、普通に戦ったところで勝ち目はまずない」
・・・それはわかってる、ならどうすればいいんだ。
「やつに連続攻撃をしかけて、隙が生まれた時を狙い・・・討つ」
「他に手段は思いつかん。いくぞ、祐一、舞」
・・・よし!・・・やってやる!
「わかった」
「はちみつくまさん」
舞がブーストを全開にして突っ込む。
俺はその後ろに張り付いていく。
飛鳥は狙撃するポイントに移動する。
準備は・・・できた!!
「はぁぁぁぁっっっ!!!」
舞が両手をクロスさせて突っ込む。
「はやいっ!?だがなぁ!まだまだガキよ!!」
右に薙ぎ払われたサーベルは、むなしく空を切る。
「せいっ!!!」
振りかぶっての左手の一撃・・・これもかわされる。
「たぁぁぁぁっっっ!!」
引いた右手での突き・・・あたらない。
「いまだぁぁっ!!!」
飛鳥の援護射撃・・・これもあたらない。
・・・ここだ!!今しかない!!
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
グラビティー・ウォールを展開した右手の渾身の一撃。
「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
いけるかっ!?
「あまいんだよ!!!」
な!?・・・かわされた!?・・・まずい!?
視界の中で、ギャプランがビームサーベルをふりあげる。
く・・・狙いは・・・舞!?
そんなこと・・・!!
「さぁぁせるもんかぁぁぁぁぁ!!!!!」
ブースターを全開にして、むりやり軌道を変える。
無茶な機動に構造材が悲鳴を上げる。
「く・・・間にあえぇぇぇぇぇっ!!!」
・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・ゆういち・・・?・・・ゆういち!?ゆういち!?」
「・・・いや・・・いや・・・・・・」
「・・・いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
突如、舞の機体が、光につつまれる。
「ゆるさない・・・ゆるさない!!!あなただけは!!!」
「機体が動かない!?な・・・なにが起きているっ!?」
「ああああああああああああああっ!!!」
御神流奥義・薙旋、射抜、鳴神。
「うおっっ!?」
「ぐおっっ!?」
「ぐあぁぁぁっっ!?」
そのすべてがことごとくヒットする。
「どうした!?舞!?」
おかしい・・・普通じゃない・・・。
「・・・ちぃ!!しょうがねえ!チャンスを逃すわけには!!」
飛鳥のヒュッケバインが、全砲門を開く。
「フルファイア!!!」
「ぐ・・・!うぉぉぉっ!?ばかな!?この俺が!?」
「ちいっ!!脱出だ!!!」
カッ!!
ギャプランは、爆発し炎上した。
「ああああああああ!!!」
だが、舞は依然として攻撃をやめようとはしない。
「舞!落ち着け!!こいつはもう倒したんだ!」
その一言でようやく舞は攻撃をやめる。舞の目に光が戻る。
「・・・ゆういちっ!!ゆういちっ!!!」
我に返った舞が、祐一のヒュッケバインに駆け寄ろうとする。
「おいおい・・・勝手に殺すなよ、舞」
通信機から、祐一の声が流れてくる。
「ゆういち!?」
「おう、ゆういちだぞ」
「ゆういち・・・ゆういちぃぃ・・・」
「・・・おいおい・・・泣くなよ・・・」
「・・・ぐしゅぐしゅ」
「・・・ふぅ、あーあ・・・俺も彼女欲しいねえ・・・」
・・・・・・・・・・・・。
「祐一さん?聞こえますか?」
・・・・・・へ?
「え!?・・・秋子さん!?」
「あ、みなさん。つながりましたよ」
「うぐぅ、祐一くん!だいじょうぶ!?」
「ゆういち〜!だいじょうぶなの!?」
「だいじょうぶですか!?祐一さん!?」
「相沢くん!だいじょうぶなの!?」
「あう〜ゆういち〜だいじょうぶなの〜!?」
「祐一さん!だいじょうぶですか!?」
「だいじょうぶですか!?相沢さん!?」
「・・・・大変だな、お前も」
「祐一さん・・・もう無茶はしないでくださいね」
・・・・・・・・・・・・・・・。
「祐一さん、動けますか?」
「・・・・・・あ、はい。なんとか」
「では、いったん家に戻ってください。格納庫の位置は送信しておきますから」
格納庫・・・
「・・・まさか・・・あなたは水瀬秋子少将!?」
「あら・・・私のことを知っているんですか?」
「はい!お会いできて光栄です!!」
「・・・そんなにかしこまらなくてもいいですよ、それより、祐一さんを助けてくれてありがとうございます」
「は・・はぁ・・・」
「さて、では家で待っていますよ、祐一さん」
ぷつん、と音を立てて通信は切れた。
あとがき〜
「おい!作者!やられてるじゃねえか!!」
それはしかたないよ、祐一くん。
「仕方ないわけあるかーい!!」
そう?
「しかも舞が目立ちまくってるし」
この話は舞の暴走がメインだからねぇ・・・
「おまけにこのところチャットに入り浸ってSS書いてないだろ!!」
あら、ばれた?
「バレバレだ!!このへたれ作者!!」
でわ、今日はこのへんで〜
「おい!かってに終わらすな!!」
またね〜
備考
ちなみに、舞がパワーアップしているのは、『まい』の力の暴走によるものです・・・オーバーリミット。