これは、思わぬ休日!?の続編です。 読まなくても楽しめますが、読めば面白さ当社比2%アップ!
思わぬ休日!? 二日め
「名雪〜起きろ!!朝飯だぞ!」
俺は隣に寝ている名雪を力一杯起こす。
ゆさゆさ
「…地震だお〜」
「早く起きろ〜!朝食はもうすぐなんだ!」
「うにゅ…」
名雪が返事をする、がこれで起きたわけではない。そんなに簡単なら俺は苦労しない。
仕方ない…
ちゅっ
「うにゅ!?…」
名雪は目が覚めた様だが、挨拶は言わない、なぜなら…
「ぷはっ。おはよう名雪。もうすぐ朝飯が来るぞ。」
俺は、名雪にキスをしていたのである。
「…祐一〜」
「はははっ、朝はおはようだぞ、」
「おはよう祐一〜じゃなくって!」
「名雪が起きないからだ。」
「う〜、酷いよ〜極悪人だよ〜」
名雪は俺に文句を言ってくる。よく見ると、顔はそんなに怒っていない。
「なら止めようか〜?」
「やだよ!」
名雪はそう言うと同時に…
ちゅっ
「……!」
俺の目の前一杯に名雪の顔が、そして唇にはやわらかく暖かい感触が…
「ぷはっ、さっきのお返しだよ♪祐一っ!」
名雪は顔を真っ赤にしてそう俺に言ってくる。
ぐはっそんな事言うな〜
「こっちだって恥ずかしいんだよ〜」
ちょっと待ってください名雪さん。なぜ俺の考えている事がわかるのですか?
「祐一〜今もそうだけど口に出してるよ〜」
「ぐはっ…最近出なかったのに、また出始めたか…」
難儀じゃのう…と何故か考えがじいさん口調になっている。
「祐一〜じじくさいよ〜」
「うるさい、こ…」
こんこん
俺が反論しようとした時に、ドアがノックされる。
「朝食の準備が出来ました。どうぞ下のラウンジへお越しください。」
扉の向こうでボーイさんが案内してくれる。
「できたって、名雪早く行こうぜ。」
「まって〜少し準備するよ〜」
「早くしろよ、じゃあ外にいるぞ。」
「うん〜すぐ行くよ〜」
名雪の返事を聞いて、俺は寝室から出る。
「にしても凄い豪華だな〜秋子さん、どうやって手に入れたんだろう?」
俺と名雪は、秋子さんに『夜ご飯が作れないから食べてきなさい』と言われて貰ったディナー券だったが、よく見ると宿泊券でもあった。
「まあ秋子さんにはお礼を言わないとな…」
俺がそう考えていると…
「お待たせ〜行こう〜」
名雪が寝室から出てくる。
「そうだな、えっと…下の階だよな…」
「そうだよ〜」
「なら行くか」
俺は名雪の手を掴み、歩き出す。
「わっ…」
名雪は声を上げたが、すぐにぎゅっと握り返してくる。
「祐一〜」
「…さっさと行くぞ!」
「あっ照れてる〜」
ぱこん
「痛いよ〜酷いよ〜極悪人だよ〜」
名雪がなんか言ってるが、あえて無視をする。
「ぶ〜ぶ〜」
「分かったよ、これでいいんだろこれで!」
俺はいい終わるか終わらないかで名雪に不意打ちのキスを食らわす。
「ぶ〜ぶっんぐっ……」
「さて行くぞ!早く行かんと…」
「……照れてる〜」
俺はそのまま名雪のからかいを受けて下へと降りた。
「朝からこれか?」
「みたいだね〜」
俺と名雪の前にはかなりの料理が並んでいた。
「まあいいや、食べよう〜」
「そうだね〜」
席につく。「「いただきま〜す」」
料理に手をつける。
「美味いなあ〜」
「そうだね〜」
俺たちはしばらく雑談をしながらのんびりとした時間を過ごす。
「うぷっ…もう食えん…」
「…私も…」
俺と名雪は殆どの料理を平らげた。
「失礼します。デザートがございますが、何にいたしましょう?」
ボーイさんがデザートのメニューを差し出す。
「俺はコーヒーを。」
「私はイチゴショートと紅茶で。」
「かしこまりました。しばらくお待ちください。」
そう言うと、メニューを持って、奥に消える。
「お前まだ食うのか?もう食べられない〜って言ってたじゃないか…」
「デザートは別だよ〜」
そう言って名雪は目を輝かせる。
「分かったよ…」
俺は女性は凄いと思った一瞬だった。
そしてデザートを平らげ…
「名雪、これからどうする?」
「う〜ん、どうしよっか?」
俺と名雪は自分たちの部屋に戻ってこれからの事を話していた。
「好きにすればいい、俺は何処でもいいぞ。」
「ならここのデパートに行こうよ。色々あるんだって。」
「ならそうしようか。でもしばらく休んでからだ…」
「…そうだね…」
それから一時間後に、ホテルを出た。
「さてデパートだったな?何処だ?」
「駅前の大きいビルだよ〜昨日も祐一見たでしょ?」
「おおそうだったか〜…覚えてないや〜」
「もぅ〜ほらっ、いこっ!」
名雪に引っ張られて進む。
「分かった、分かったから、引っ張るなぁ〜」
「ここだよ〜」
「ここか?」
今俺たちの前にはかなりの大きさの建物がある。
「でかいな…」
「祐一〜いこっ」
名雪が腕を組んで引っ張る。
「そうだな、行くか。」
そうして店の中に入る。
「ほう…7階建てか…名雪、何処見るんだ?」
「とりあえず雑貨かな?」
「なら…5階か。」
エレベーターに乗り、5階につく。
それから名雪と、しばらく雑貨を見たり、ショーウィンドウや他の服や、装飾品を見たりして、恋人との時間を過ごす。
「わぁ〜これ綺麗だね〜…」
「ん?どれだ?」
「これだよ〜」
そう言って名雪が俺に見せる。
「これは?…オレンジ・ジェード?聞いた事無い石だな…」
名雪の手の中にはオレンジ色の石が輝きを放っている。
「それは、誕生石の一つです。」
突然横から女性の声が聞こえてきた。
「あら、驚かせてしまいましたね。申し訳ありませんでした。」
「いえ、お気になさらずに。」
「誕生石?何でそんなのがあるの?」
「今、丁度、一年365日の誕生石展をしておりまして、色々集めてきております。それは、オレンジ・ジェード 翡翠の仲間です。」
「翡翠?でもあれって緑色では?」
「いえいえ、翡翠にも色々ありまして、意外とカラフルなんですよ。でも緑のほうが値段は高いですけどね。」
「へぇ〜、で、これは、何月何日なんですか?」
名雪がその石を見ながら、聞く。
「オレンジ・ジェードは…12月23日ですね。」
「えっ…そうなんですか?本当ですか?」
「ええ、色々な所がそれぞれ言ってますが、大体そうです。」
「私の誕生石なんだぁ〜…」
「えっ…そうでしたか、中々幸運ですね。丁度今日でこの催しも終わりなんですよ。良かったらどうぞ、身に付けてくださいな。」
「いいんですか?」
「ええ、構いませんよ。どうぞお付けになって下さい。」
そう言って勧められる。
「名雪、つけてみろよ、お前なら似合うよ。」
「祐一がそういうのなら…」
名雪はそれを身につける。
その石は名雪の首下で輝きを放つ。
「よくお似合いですよ。どうぞ。」
そう言って鏡を名雪に見せる。
「どうかな?似合ってるかな?」
名雪が聞いてくる。
「ああ…良く似合ってるよ…」
俺はそれだけ言うのが精一杯だった。
「ありがと〜それじゃあお返ししますね。」
「はい、でも良くお似合いでしたよ。」
「ありがとうございます。祐一〜そろそろ行こうよ〜」
「ん?…ああそうだな。それではお世話になりました。」
「いえいえ、仲良くね。」
「はい。それでは。」
そう言って俺たちはそこを後にする。
しばらくデパートの中を回って、時間を過ごす。
「あ〜楽しかったね〜」
「そうだな〜そろそろ帰るか〜」
「うん!」
その時俺はふと思いつく事があった。
「名雪、先に駅に行っててくれないか?少し用ができた。」
「そうなの?じゃあ先に行ってるよ〜」
「すまん。」
俺は名雪に背を向け走り出す。
「はぁはぁ…」
「あらっさっきの…どうしたの?彼女は?」
「はぁはぁ…えっと…オレンジ・ジェードでしたっけ?それ下さい。」
「ええ、いいですけど、プレゼント?」
「はい、あまりにも似合ってたので…」
「くすっ、それでは―――」
「名雪〜すまん!」
「遅いよ〜さあ早く帰ろう〜」
「ああ」
俺たちは丁度来た電車に乗る。
「ふぅ〜帰ってきたな〜」
「じゃあ家に帰りましょ〜」
「名雪、待ってくれ、その前に公園に行かないか?」
「えっ、いいけど、何で?」
「まあ行ってからだよ。」
「ぷ〜」
膨れる名雪をつれて公園へと向かう。
着いた時には夕暮れになりかけていた。
「祐一〜。で、なんなの?」
「これを…」
祐一は小さな箱を名雪に渡す。
「これ何?」
「開けたら分かる。」
そう言われ名雪は箱を開封する。
「…わぁ〜」
名雪の手の中に、昼間のオレンジ・ジェードが輝きを放っている。
「どうしたの?これ?」
「買ってきた。お前がつけた時に見とれた…だからつけてて欲しい。」
「祐一…ありがと〜大事にするよ。」
「そうしてもらわないと困る〜」
「ふふふっ、つけていい?」
「当たり前だ。つけてもらわないと困る。」
名雪はそれをみにつける。
「似合ってる?」
「ああ、」
「ありがと。宝物にするね。」
「好きにしろ。さて帰ろう。」
「うん〜」
名雪と腕を組んで家路につく。
「祐一〜」
「ん?」
「大好きだよ〜」
そういう彼女の胸元には、夕焼けのような、輝石が輝いていた。
後書き
名雪 ♪〜
おっ、ご機嫌だな〜
名雪 祐一に貰ったお〜
ほう、何て名前だ?
名雪 オレンジ・エードだよ〜
えっ…オレンジジェードじゃ無いのか?
名雪 う〜間違えた〜
まあ似てるからなぁ…語呂が
名雪 はずかしいお〜
良くある事だ、気にするな。
名雪 ぶつぶつ……
ん?どうした?
名雪 死ぬがいいお〜! 『空牙虚空斬(エアストレイド)』
ぐばっ…
名雪 さてネオ改さん、こんな駄作で申し訳ありませんが、お許しくださいね。それでは〜